自分History episode6

~階段から突き落とされたしのぶちゃんの話~

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幼稚園をやめてから

父が入院している時は

母に連れられ一緒に病院に行きます。

住んでいた街に唯一あった総合病院で

すごく古くて暗い感じの病院。

カッコよく言えば超レトロ?

病院の入口は、アンティークな感じの銀色の丸いドアノブ。

ドアじたい木で、真ん中にはガラスがはめられてるヤツ。

強く開け閉めするとガラスが割れちゃう感じ。

入ってすぐ、学校みたいな下駄箱。

スリッパがたくさん並べられていて好きなのを履く感じ。

フローリングとは表現しがたい木の廊下。

各診察室のドアも木で出来ていてやっぱり丸い銀色のドアノブ。

どこを歩いてもアルコール消毒液の臭い。

 

私はほとんど父親の病室にいた憶えがなく

いつもその病院内をほっつき歩いていた。

だから

「毎日遊びにきてるね、あの娘」

って感じか

「可哀想に、父親が入院してるから毎日いるんだね」

か、そんな感じだったと思う。

 

だから、今でもどこと、どこにトイレがあったとか

どこが手術室だったか、

かなり入り組んだ作りの病院だったけど

憶えてる。

 

そのうち、病院の外へ遊びに出ていくようになって

ある時、近所に住むしのぶちゃんという子と仲良くなるんだけど。

どうやら家は美容院らしい。

あの子のお母さんはね、ママハハなんだよ、と

誰からどんなシチュエーションで聞いたかは憶えていないけど

誰かが教えてくれたんだよね。

そんなこと子どもに言うって今思うと信じられないけど

その「ママハハ」っていう響きが子どもながらに

「ママハハ」=「こわい・いじわる」っていうイメージだった。

当時のテレビの影響だったのかな・・きっと。

 

だから、その時、いつもいじめられたりしてるのかな。って

心配したりして。

しのぶちゃんはすごく優しくて、一緒にいて楽しかったの憶えてる。

だけど、ある日その心配していたことが

現実に起こってしまった。

一緒にしのぶちゃんの家の美容室の入口から入る。

中はお客さんはいなくてすごく暗いの。

で、お店に入らないで、まっすぐ行くと2階へ上がる階段。

しのぶちゃんは、その「ママハハ」に

「2階へあがってこい」ってすごい剣幕で言われて

上がっていくと「ごめんなさいっ、ごめんなさいっ」

って謝っている。必死の声!

次の瞬間、しのぶちゃんが2階の階段から突き落とされ

一番下まで転げ落ちてきて・・・・。

泣きじゃくる、しのぶちゃん。

どこかケガしたかも知れない。

でも確認のしようがない私。

 

私はその光景がすごくショックで・・・声も出ない。

しのぶちゃんは転げ落ちてきて痛いハズなのに

泣きじゃくりながら「ごめんなさい」「ごめんなさい」って謝るばかり。

 

知らない子(私)を家に連れてきたから?

外で遊んでいたから??

ママハハが怒った理由はわからない。

 

しのぶちゃんは、もう私の存在など目にはいらない。

泣くばかり。

私は黙ってそこから立ち去るんだけど

ずっとずっとずっと心配で。

 

その日から、しのぶちゃんに会うコトは一度もなかったー。

理由はわからない。

会いたかったけど一度も姿をみることが出来なかった。

 

当時、家に帰って姉に

「しのぶちゃんっていう友達が出来たコト」

「そのしのぶちゃんのお母さんはママハハだったっていうコト」

「階段から突き落とされて1階まで転げ落ちてきたコト」

を姉に話しをしていたらしく

しのぶちゃん大丈夫かな、、どうしたかな、って

姉によく言っていたそうです。

 

彼女は・・きっと私よりツラい人生を送ったかも知れない。

今でもしのぶちゃんのコトを思い出すと胸が痛くなる。